焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽料)と水・お湯(抽剤)を、ある割合で容器に入れて、水・お湯(抽剤)の温度を長時間一定に保っておくと、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽料)中のコーヒー成分(抽質)は、一定温度に保っている水・お湯(抽剤)の中に抽出されて行って、最終的にはコーヒー成分を抽出した後の、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物の内部に残っているコーヒー抽出液(保持液)に含まれるコーヒー成分と、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物の外側に存在するコーヒー抽出液に含まれるコーヒー成分が、ある割合で分配されて平衡状態になります。
コーヒー抽出液の中に含まれているコーヒー成分の分率を測定するのは、それほど難しい作業では無いと考えています。おそらく、年老いた珈琲豆焙煎屋でも、れなりの測定機器を用意できれば可能だと考えています。
焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽料)の組成と、コーヒー成分を抽出した後の 焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物内に保持されているコーヒー抽出液(保持液)量も、大体知られているわけですから、物質収支を取ることで、コーヒー成分抽出後の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物に残っているコーヒー抽出液(保持液)に含まれているコーヒー成分(抽質)量の分率を求めることが可能だと考えます。
焙煎コーヒー豆粉砕物粒子内に存在している(含まれている)コーヒー成分を抽出して、固体担体になったコーヒー成分抽出後の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物と、抽出したコーヒー成分を溶解・分散させているコーヒー抽出液とに固液分離すると、固相(焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物) と溶液相(コーヒー抽出液)とを得ることができます。
この場合、固液分離が完全に成されていて、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子内の不溶性固体が溶出されていないのなら、溶液相は、コーヒー成分(抽質)と水・お湯(抽剤)の2成分で構成されていて、固相は、これら2成分(コーヒー成分と水・お湯)に焙煎コーヒー豆粉砕物粒子内の不溶性担体が加わった3成分で構成されていると考えます。
固液分離した後、固相であるコーヒー成分抽出後の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物に保持れているコーヒー抽出液(保持液)の量は、固液分離の方法が変化していなくても、一般的には、溶液組成(保持液の組成)によって変化すると考えています。
しかし、保持液量の有無に関わらずに、コーヒー成分(抽質)が、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物の不溶性固体に吸着されないとすれば、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物内部に存在するコーヒー抽出液(保持液)と、その外部に存在するコーヒー抽出液の溶液組成は等しくなるとも考えています。
焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽料)中の固体成分の一部がコーヒー抽出液(溶液)の中に混入したり、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子抽残物内の固体成分がコーヒー抽出液中のコーヒー成分(抽質)を吸着るような場合には、平衡状態にある固相及び液相の組成が等しくならないだろうと考えています。