珈琲抽出器具とコーヒー抽出操作

焙煎コーヒー豆からコーヒー成分を抽出して一杯のコーヒーを淹れる操作が、それがコーヒーの抽出操作だと考えています。

コーヒー抽出操作に使う器具(or装置)には、エスプレッソマシーン、フレンチプレス、コーヒーサイフォン、ハンドドリップで使う様々な器具(ドリッパーやサーバーなど)と、種々の器具(or装置)が知られています。

それらの器具(or装置)のほとんどは、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子と水(orお湯)の流れがお互いに逆方向となる向流接触方式か、それと同じような効果を発揮する操作方式が採用されていると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。 

  

焙煎コーヒー豆粉砕物粒子と水(orお湯)の流れがお互いに逆方向(向流接触方式)になる向流抽出は、溶媒量(コーヒー抽出に使う溶媒は水/お湯です)が少なくて済み、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子と水(orお湯)の間の濃度差を小さくすることができる抽出操作方式だと考えています。

また、抽出原料である焙煎コーヒー豆粉砕物粒子の膨潤や崩壊の原因となる浸透圧の影響を少なくできる利点を持っているようにも感じられます。

 

コーヒーの抽出では、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(固体)を水・お湯(流体)に対して連続的に向流に移動させるのは困難だと考えます。

コーヒー抽出操作に使う器具(or装置)の大半は、抽残物(コーヒー成分を抽出して残った焙煎コーヒー豆粉砕物粒子)を移動させないで、抽出液だけを移動させる回分向流多段操作の抽出方式を採用していると考えています。

 

基本的に、回分向流多段操作という多重操作は、幾つか抽出カラム(セル)を使う抽出操作方式で、幾つかのカラムのうち2つのカラムは、固体抽出原料の充填と抽出済み抽残物の排出に使われ、抽出液を、排出カラム側から充填カラム側へと流して、一定の時間抽出を行って、抽出カラムと充填カラムをそれぞれ交換する抽出操作方式だと1990年頃に発行された食品工学の専門書で読んだ記憶がありますが、もしかしたら、理解の仕方が間違っているかもしれません。

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例えば、インスタントコーヒー製造に使うコーヒー清澄液の抽出には、直径0.25~0.75m、高さ4.5~6mの細長い拡散セルが4~8基使われていて、20分~30分間隔で、粒径3~5㎜の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子の充填とその抽残物の抽出を行って、160℃~185℃の熱水を使って、抽出原料の滞留時間2~3時間の条件で抽出が行われていると、30年くらい前に食品工学関係の専門書で読んだ記憶があります。

また、コーヒー抽出の原料である焙煎コーヒー豆粉砕物粒子の粒径が小さくて、抽出回収される可溶性成分の約35%が、加水分解反応によって生成する物質だという話も、同じく30年くらい前に食品工学関係の専門書を読んで知りました。

 

珈琲抽出器具(or装置)には、サイフォンやフレンチプレスなどの浸漬型やコーヒーメーカーやエスプレッソマシーンなどの貫流型など、種々雑多なものが使われています。

これらの珈琲抽出器具(or装置)には、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子と水(お湯)の接触効率以外にも、抽出材料である焙煎コーヒー豆粉砕物粒子の飛び出し問題や抽出後の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子の排除問題など、様々な長所・短所が知られています。

 

【参考】珈琲抽出器具(or装置)