70歳老人の食品学雑記帳

食品学を正式に学んだことの無い70歳の老人が、独断と偏見による食品学を書き綴っています。

分離と精製

食品原料中には、栄養や生理作用の面で好ましくない成分や、口の中で不快感を感じる成分、風味に影響する成分などが存在していることが多々あります。ですから、それらの成分が存在していれば、それらの成分を分離除去することが必要になります。

そのための方法である分離操作を機構の面から分類すると、機械的分離・輸送的分離・拡散的分離の3つに分けることができます。 

 

【コメント】

まさか、と思っていたのですが、赤福餅をアマゾンで購入できるようです。年老いた珈琲豆焙煎屋が暮らしている和歌山市では、なかなか手に入りません。 

 

(1)機械的分離

力学的法則に基づく分離方法。ろ過(物質の大きさの違いを利用)や遠心分離(比重の違いを利用)、分級、圧搾分離、濃縮・乾燥など。

(2)輸送的分離

化学的・電気的親和力の違いを利用する分離方法。膜分離、電気泳動、電気透析、膜濃縮・凍結濃縮、蒸発濃縮・乾燥など。

(3)拡散的分離

相平衡の違いを利用する分離方法。相平衡へと進む拡散速度の影響を受ける分離方法。蒸留、抽出、晶析、ガス吸収、吸着など。

 

分離・精製の方法については、成分の回収率と純度、それと生産性が問題になると言われています。しかし、ある1つの分離方法について、回収率と純度を共に大きくするのは不可能だと考えるのが一般的なようです。ですから、分離の目的に応じて、どこかで妥協する必要があります。

例えば、医薬品など純度を要求される製品では、有毒な物質や不快な味やニオイの原因物質を除去する必要があります。これらの低分子物質は、タンパク質などの高分子物質に強く結合している場合が多々あるので、解離を行って分離しなければなりません。

蒸留酒製造では、エタノールとともに多糖類の香気成分をバランスよく分離回収する必要があります。

 

分離は、分離対象の原料に熱を加えるか、原料を分離媒体と接触させるか、どちらかの方法を用いて、組成の異なる複数の製品を生成する操作ですから、分離操作の理論として重要なのが、平衡関係と物質移動ということになります。

(1)蒸留

気液間の平衡関係の特性を利用する分離方法。

(2)晶析

溶解度と温度依存性の情報が重要。

(3)吸着

吸着剤と溶液間の分配係数のデータが必要。充填層型式の分離装置についてのより詳細な解析には、吸着剤内部の拡散、吸着剤と流体との界面における平衡関係と移動速度、そして連続相である流体内の混合拡散速度を考慮して、局所的な物質収支を取る必要があると言われています。

(4)抽出

成分が試料と抽剤間にどのように分配されているか知る必要があるようです。

 

コーヒー豆の脱カフェイン、ホップエキスの製造に利用されている超臨界流体抽出法は、超臨界二酸化炭素が人体に安全であり、不燃性であることなどの理由によって、食品原料への応用に関心がもたれています。しかし、高圧装置設備費、固体原料連続供給などの問題の解決が必要であるとも言われています。