70歳老人の食品学雑記帳

食品学を正式に学んだことの無い70歳の老人が、独断と偏見による食品学を書き綴っています。

コーヒーと抽出 | 向流多段抽出 | 理論段抽出 | 理想段抽出

焙煎コーヒー豆粉砕物粒子からコーヒー成分を抽出する方法については、大雑把にですが、3つのコーヒー成分抽出方法が考えられると思います。

単抽出という方法、多回抽出という方法、半回分式微分抽出という3つの抽出方法です。

【目次】

3つの抽出方法

単抽出は、

一定量の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽料)に一定量のお湯(抽剤)を加えて、ある一定の時間(or十分な時間)混合してから後、コーヒー成分抽出後の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽残物)とコーヒー抽出液を分離して取り出す抽出方法で、

多回抽出は、

単抽出の抽出操作を、抽剤であるお湯を分割して何回か(多数回)繰り返す抽出方法だと考えています。

そして、 半回分微分抽出は、

単抽出での焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽料)仕込み(ドリッパーへの焙煎コーヒー豆粉砕物粒子のセッティング)を、その都度その都度の抽出操作ごとに仕込む(セッティングする)回分式の抽出方法だと理解しています。

 

理論段数

Wikipedia 曰く

理論段数とは、固定相と移動相の2相間での物質の分配比の差を利用して物質の分離を行う装置の性能を表す指標である。その装置と同じ分離の程度を達成するために、その装置と運転条件が同じ理想的なバッチ式の分離装置を何段重ねる必要があるかで表す。ここで理想的とは 2相の物質の分配が平衡にあり、各段の間の物質移動が定常状態にあることを意味する。

 

【参考】抽料と抽残物

抽料・・・コーヒー成分抽出前の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子

抽残物・・コーヒー成分抽出後の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子

 

コーヒー成分の抽出率

焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽料)から抽出されるコーヒー成分の抽出率は、コーヒー成分を抽出した後の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子(抽残物)内に残っているコーヒー抽出液(保持液)が平衡に達していると仮定すれば、物質収支の関係と固液平衡関係を用いて計算によって求めることができるので、優秀なAIならば、その計算をしながらコーヒーを淹れることができるのかもしれませんが、年老いた珈琲豆焙煎屋の能力では不可能です。

ということで、これまでの経験と勘に依存して抽出率を推測しながらコーヒーを淹れています。

 

コーヒー抽出液の成分構成 

珈琲屋ですから、試飲を兼ねて毎日・数杯のコーヒーを飲みます。毎日飲むコーヒーの大半は、ペーパーフィルターを使うハンドドリップでコーヒーを淹れています。

年老いた珈琲豆焙煎屋の独断と偏見に基づくわけですが、ハンドドリップでコーヒーを淹れるという透過式の抽出方法は、向流多段抽出という抽出方式だと考えています。

コーヒードリッパーにセットしたペーパーフィルター内(抽出器具内) においては、コーヒー抽出液の流れである「いつ流」と、焙煎コーヒー豆粉砕物粒子という固形分の流れである「底流」が互いに逆方向に移動していて、抽料としての焙煎コーヒー豆粉砕物粒子中の不溶性成分がコーヒー抽出液に移行していないと仮定すると、コーヒー抽出液の流れである「いつ流」は、抽剤であるお湯抽質である可溶性のコーヒー成分という2成分で構成されていることになると思います。

しかし、実際には、底流同様に抽剤であるお湯と抽質である可溶性のコーヒー成分、それと不溶性コーヒー成分の3成分系で構成されているのだと思います。

 

成分分率

全成分量基準の成分分率については、

その和は1になると思います。ですから、3成分系の組成については、2成分の成分分率がわかれば決まって来ると考えます。

コーヒーの溶液量基準の成分分率については、

その和は、抽残物である焙煎コーヒー豆粉砕物粒子が保持しているコーヒー溶液保持率の逆数となると考えます。

しかし、その溶液保持率が、コーヒー成分の抽出において常に一定であるとは限らないと考えています。

 

向流多段抽出操作

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抽出工程の理想段(1~5)の両端に注目すると、抽料である焙煎コーヒー豆粉砕物粒子と抽剤であるお湯との混合物が流入して、抽残物であるコーヒー成分抽出後の焙煎コーヒー豆粉砕物粒子とコーヒー抽出液の混合物が流出するという構図になっていると思います。

そして、両端の混合物の量と組成は、それぞれ等しくなっているとして物質収支の関係式が成立すると考えています。

任意の理想段において、流出するいつ流と底流の両組成は平衡状態にあると考えます。この関係を、向流多段抽出工程の両端何れの段から順次適用して行くと、各段のいつ流と底流の組成が決まって来ると独断と偏見に基づいて考えています。