70歳老人の食品学雑記帳

食品学を正式に学んだことの無い70歳の老人が、独断と偏見による食品学を書き綴っています。

固液分離操作について大雑把に

液体の中に分散している状態の固体(or固体と液体の混合物)を液体から分ける(液体と湿潤固体に分離する)ことを「固液分離」と総称しているのだと思います。

固液分離の技術は、化学工業、医薬・食品工業、環境工学などで、不可欠な技術として利用されていると言われています。しかし、現象の理論的な扱いが難しいので、経験の蓄積が重視されている技術分野だとも言われています。

ちなみに、年老いた珈琲豆焙煎屋は、コーヒーを淹れる作業を「固液分離操作」だと考えています。ですから、コーヒーを淹れる作業における経験蓄積の重要性は理解しているつもりです。

 

固液分離操作と品質 

食品工業においての固液分離操作は、製品の品質や収率に大きな影響を与えている重要な操作だと考えられています。

その理由として、食品の場合、分離の仕組み自体の複雑さに加えて、経時変化が起こりやすい、分離するのが難しいものが多いという食品特有の困難な問題が存在するからだと年老いた珈琲豆焙煎屋(エカワ珈琲店の店主)は理解しています。

 

固液分離の目的 

固液分離には、沈降分離・浮上分離・沪過・遠心分離・圧搾(あっさく)分離などなど、様々な方法が知られています。

その目的は、(1)固体または液体の回収、(2)固体および液体の回収、(3)固体と液体の分別(回収を目的としない)、の3つに集約できると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えます。

ちなみに、コーヒー醸造操作は、「固体または液体の回収」を目的とする固液分離だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えます。

 

固液分離の方法 

固液分離の様々な方法について、簡単にメモしておきます。

(1)沈降分離(清澄と沈降濃縮)

コトバンク(ブリタリカ国際大百科事典)の引用ですが・・・

液体の比重より大きい比重の固体粒子が流体中に分散しているとき,重力の作用によって粒子が次第に落下していくいわゆる沈降現象を利用して,液体と固体粒子を分離する操作をいう。沈降分離の目的は分級,沈殿濃縮,清澄に大別される。

固体と液体の密度差を利用する固液分離操作で、清澄液の分離回収を主目的とする分離操作を清澄、濃縮を主目的とする操作を沈殿濃縮と呼んでいます。

ちなみに、トルココーヒーの淹れ方は、沈降分離の原理に基づく淹れ方だと年老いた珈琲豆焙煎屋は理解しています。 

(2)浮上分離(起泡分離)

液体中の懸濁粒子に気泡を付着させて、その気泡を液面に浮上させる分離操作を浮上分離(起泡分離)と呼んでいると理解しています。鉱業分野で水に混じった金属微粒子を回収するのに使われている手法ですが、食品工業でも固液分離の効果的な手段となっているようです。

ハンドドリップでコーヒーを淹れる時、最初の「蒸らし」の段階で焙煎コーヒー粉が花を咲かせるように泡が膨らんできます。その泡には、コーヒーの雑味成分(大きな成分)が吸着されていると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

ちなみに、起泡分離についての詳しい説明は、旦部幸博さんの著書「コーヒーの科学」239ページ~241ページに載っています。 

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)

  • 作者:旦部 幸博
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/02/19
  • メディア: 新書
  

(3)沪過

沪過をWikipedia で調べると

液体または気体に固体が混ざっている混合物を、細かい穴がたくさんあいた多孔質(ろ材)に通して、穴よりも大きな固体の粒子を液体または気体から分離する操作である。

Wikipedia-ろ過より引用

布・紙・粒子層などのろ材を通して液体のみを流し、懸濁粒子をろ材表面または内部で捕捉することによって固液分離する方法を沪過と呼んでいるのだと思います。

ろ材を通して液体を流す推進力として、重力の他に加圧・減圧などが使用されます。

沪過について、旦部幸博さんの著書「コーヒーの科学」からの引用で説明すると・・・

おいしい成分を十分抽出した後に、いつまでも粉と水が接触したままだと、まずい成分がどんどん出てきてしまいます。それを防ぐため、ほとんどの抽出では最後に粉と水を分離する「濾過/ろ過」を行います。

抽出液を多孔質の材料(フィルター・濾過材)に通して大きな粒子を除くのです。濾過の原理には大きく分けて、表面濾過、深部濾過、ケーク濾過の3つがあり、それが組み合わさって粒子が除かれます。  

(4)遠心分離 

Wikipedia/遠心分離は、ある試料に対して強大な遠心力をかけることにより、その試料を構成する成分(分散質)を分離または分画する方法が遠心分離だと説明してくれています。

基本的に、遠心分離は、分離するのが難しい微細な固体を効果的に分離するために、重力やポンプ圧に代わって大きな遠心力を活用する固液分離の操作方法だと年老いた珈琲豆屋は理解しています。

遠心力を使って固体を遠心沈降する固液分離操作を遠心沈降、遠心力を推進力として濾過や脱水を行う固液分離操作を遠心濾過と呼んでいるようです。 

(5)圧搾分離

固体と液体の混合物を、搾布などのように液体を通過させるが固体を通過させない隔壁内に収容して、これを圧縮することによって液体と湿潤ケークとに分離する操作を圧搾分離と呼んでいると年老いた珈琲豆焙煎屋は理解しています。

圧搾とは、固体と液体の混合物を収容する分離室の隔壁を移動させることで圧縮作用をおこさせて固液分離を行う操作で、化学工業や食品工業の搾油・醸造部門で利用されている固液分離操作だとされているようです。

沈降分離、浮上分離(起泡分離)、沪過、遠心分離 など固液分離操作では、主に流動性がある固液系混合物が取り扱われるわけですか、圧搾分離では、湿潤状態の半固体状原料を扱う場合も多く、より完全で高度な固液分離が行われると言われています。