70歳老人の食品学雑記帳

食品学を正式に学んだことの無い70歳の老人が、独断と偏見による食品学を書き綴っています。

伝熱の三形態 | 伝熱には3つの形態がある

系内に温度差が存在していて、外部から特別な働きかけが無い限り、温度の高い所から低い所へと熱が移動して、両方の場所が同じ温度(等温)になろうとします。この時の熱の移動を、伝熱と呼んでいます。

伝熱の形態として、伝導伝熱、対流伝熱、放射(or輻射)伝熱という3つの形態が知られています。

 

伝導伝熱

静止している物体(固体、液体、気体)中に温度差が存在していて、高温側から低温側へと熱が移動して行く現象が伝導伝熱です。

コーヒー豆の焙煎を例にとると、焙煎機の伝導伝熱は焙煎機とチャンバー(シリンダー、回転ドラム)とコーヒー豆の接点で起こります。

また、コーヒー豆の表面からコーヒー豆の内部に熱が移動して行くのも伝導伝熱です。

ちなみに、熱伝導度という係数は、伝導伝熱の熱の伝わりやすさを示す係数です。

 

対流伝熱

固体壁(混じり合わない2流体間では流体壁)と、それに接して流れている流体(気体か液体)の間に温度差が存在する時の伝熱現象。

対流伝熱の伝熱速度を支配しているのは、流体内部の層流や乱流によって運ばれ熱量です。

ちなみに、対流伝熱の熱の伝わりやすさを表す係数が、熱伝達係数(伝熱係数)です。

コーヒー豆の焙煎においては、熱せられた雰囲気(空気)からコーヒー豆の表面に熱が伝わる伝熱ですから、焙煎初期において最も需要な伝熱形態が対流伝熱だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。だから、コーヒー豆の焙煎においては、エンタルピーの概念が重要になって来るのだと理解しています。

 

放射伝熱(輻射伝熱)

物体は、その温度に応じて周囲に向かって電磁波の形でエネルギーを放射し、同時に周囲からこれを吸収する性質を持っています。この形式によるエネルギー授受を、放射伝熱と呼んでいます。

物体が発する放射エネルギーの全量は、ほぼその物体の温度の4乗に比例します。ですから、高温においては、放射伝熱の重要性が高くなります。

ということで、コーヒー豆の焙煎においても、コーヒー豆の温度が高温になってくると、放射伝熱への依存度が高くなると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

輻射は赤外線による伝熱。熱源の材質によって赤外線の持つエネルギーが変わり、それを受けた物体の温度の上がり方が変わってくる。セラミックスを装着した直火式焙煎機を使用すると、エネルギーの小さい遠赤外線を利用できる。

炭火を熱源とした直火式焙煎機では遠赤外線だけでなく、よりエネルギーの大きい近赤外線も利用できる。

輻射伝熱(放射伝熱)と焙煎機の関係について、柴田書店から刊行されている石脇智広さんの著書「コーヒーこつの科学」より引用させて頂きました。

コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために

コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために

  • 作者:石脇 智広
  • 出版社/メーカー: 柴田書店
  • 発売日: 2008/09/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)