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和歌山市で暮らして来ました。これからも・・・

生まれてから65歳の今まで、和歌山市で暮らして働いて来たエカワ珈琲店の店主が、地元の話題を綴っています

都市の経済学

発展する都市の条件は、先進の技術を学び、それを自前の技術として消化・吸収する地場産業が存在していて、町自体に、環境の変化や技術革新の波に柔軟に対応できる想像力が備わっているかどうかだそうです。

それらが存在しない、受動的経済に依存している都市は、ちょっとした環境の変化で、停滞・衰退を経験することになるということです。

 

大都市に本社を持つ大企業の工場の生産力だけに依存していると、その企業の業績ひとつで、その都市の経済にデコボコができてしまいます。

都市が、その都市内、他の都市、都市の存在しない地域の市場として機能しなくなると、衰退をはじめます。

地域の経済力が次第に先細りになって、後進性を増していくわけです。

 

以上、ジェイコブスの『都市の経済学』を、自分なりに解釈してみました。

そして、和歌山市のエカワ珈琲店の状況に当てはめてみました。

 

エカワ珈琲店で取り扱っている商品は、コーヒー豆です。

大都市の商社から、コーヒーの生豆を購入して、自前で焙煎加工しています。

その焙煎加工したコーヒー豆を、和歌山市内のお客さんに買ってもらって、経営を維持できるのが理想的です。

実際には、コーヒー豆の販売先の半分以上が、和歌山市外のお客さんです。

 

何年か前から、和歌山市内のお客さんだけを対象としていても、商売が成り立たない状態が続いていて、和歌山市外のお客さんに依存して生計を維持しています。

和歌山市内に、コーヒー豆の需要が存在しないわけではありません。

過去10年間、確実に需要は増えているはずです。

ただ、地元の零細なコーヒー屋が相手にされなくなっているだけです。

 

和歌山市役所の産業部門の各所属でも、コーヒーメーカーが置かれていて、コーヒーを飲んでいるみたいですが、エカワ珈琲店のような地元の零細業者は相手にもされていません。

 

大都市の業者さんからの、和歌山市役所に対する『取引の働きかけ』の前に、なすすべが無いというのが現状です。

ですから、エカワ珈琲店は、和歌山市外の消費者にコーヒー豆を購入してもらわなければ経営が成り立ちません。

 

でも考えてみれば、もう少し経済的に余裕ができたなら、エカワ珈琲店のコーヒー豆に対する需要があまり存在しない和歌山市での商売に固守する理由がなくなってしまいます。

そうなると、初めて、『自分の身は、自分で守る』ことができる状態になります。

 

役所自体、それも産業振興を担当する部署が、地元業者の商品を排除しているような状況では、町の停滞・衰退を避けることができないと思うので、『自分の身は、自分で守れる』ように心掛けようと考えています。

 

「自分の身は、自分で守れる」小規模・零細事業者は和歌山市から出て行って、「自分で守れない」小規模・零細事業者が廃業して行けば、もしかしたら、和歌山市は人口減少と高齢化の波に飲み込まれてしまうかもしれません。

 

【2007年4月21日】